RasPiで電子ペーパー(e-ink)を使う

かなり久々の更新となったが、電子ペーパーを使ってみたのでメモ。

使用した電子ペーパーは、waveshare 2.7インチ SKU:13354 を秋葉原の千石電商で購入。

ネットで買っても良かったのだろうが、ケーブルが入ってないと心配だったので、店頭でSPIケーブルが入ったものを確認して購入した。

結論からすると、上記自分が持っているRaspiでは、GPIOヘッダーに対応していたので、SPIケーブルは不要。心配無用だった。

まあ、そのうち、Pi Picoなどで試すこともあるかもしれないし、ともかくSPIケーブルがついているのは助かる。

なぜ電子ペーパーか?

別にLCDで良いと思うのだが、1時間に1回しか更新しないようなデータを液晶で表示し続けるのもなんだかなーと思い、今回はE-inkにした。

電子ペーパーは、電源OFFでも表示が残るというのが良い(説明書によると長期表示のままは、おすすめしないらしい)し、なんといっても表示がうるさくないのが良いと思う。

e-inkは昔から、電子ペーパーとかなかなか名称が定まらないし、Kindleとかも普及してだいぶ経つが、大衆化という観点では、今一歩なところがある。(あくまでも個人の感想です)

最近の動向として関心を持っているのは、家電量販店のプライスタグだったり、スーパーなどの価格表示などで電子ペーパーを、見かけるようになってきた。

IoTで重要なのは、それが本当に一個100円とか、1000円とか大幅に価格が下がる一方で、価格の取り付けや更新などにかかる手間だったり、多少コストがかかってもそこでいままで使っていた人の労力を他に回したいなどという状況がでてくることで、ようやく実世界で大衆化するようになる。

例えば、傘に雨が降るときに色がつく機能がついてたらちょっと便利だと思うが、傘の値段に対して、その機能をつけることによるコストアップや充電の手間、重量アップなどから、それを商品にしたり、自分で作るのはまだ少しハードルがありそうだ。(似たようなコンセプトのものはたぶん探せばあるだろう)

Bluetooth v5.4

今回の仕組みでは関係ないが、現在仕様が標準化されつつあるこのv5.4では、ESL(電子棚札)に関するユースケースを想定した実装が行われている。

おそらく、この規格が実装されると、大手の量販店やスーパーだけでなく、もう少し小規模なお店でも、この手の看板や、掲示がデジタル化できるようになると思う。

それに付随して、個人でもその恩恵をうけるような製品が登場すると思う。

例えば、通常の目覚まし時計に、こんな感じで天気情報がのるかもしれない。

すでに天気情報を表示されるような置き時計はあるが、精度や設定に関しては、いまひとつなのかと思う。

今回の実装要素

モジュールのインストール
https://raspi-school.com/e-ink/

このサイトを参考に、「SPIインターフェースの有効化」「BCM2835ライブラリーのインストール」を実行。

続いて、天気予報を表示させたかったので

https://kotamorishita.com/rpi-epaper-weather-station/
を参考に、openweathermapへのAPI登録と、記述コードを参考にした。

めんどくさかったところとしては、取得した天気をフォントのまま表示させる方法がよくわからなかったのでICONコードからそれにあわせたBMP画像を表示させるようにする事にしたので、BMP画像を用意した所。

オフラインデータのデータ更新

コロナから戻って、再びリアルショップでの、ユーザー体験というのは、メリットもあればデメリットもある。一方で、ネットでの買い物にも、メリットとデメリットがあり、ネットはよりリアルに、リアルはもっとデジタルが進むのが必然だと思う。

そんな中、電子ペーパーというのは、それなりに大きなポテンシャルを持っていると思う。例えば駅の広告。大画面の液晶ビジョンになっているものもあるが、昔ながらの張り紙のパターンも多数存在する。

なぜ、液晶にかえないのかといえば、下手にリッチなコンテンツを流すより、ポスターを張っているほうが費用対効果があるのだろう。選挙ポスターなんかもいまだに紙だしね。

まあ、みんなが頻繁に見ているものは、今やスマホなんだから、そこらの広告にちょとだしたからといって、なかなか集客できるものではないのは、察しがつく。

じゃあ、駅前の広告には価値がないかというとそうでもない。

それなりに人通りの多い場所となれば、それなりに多くの人が目にするし、一瞬とはいえ、目に入ってきたり、情報として受け取る事もある。

直接商品を購入するだけでなくブランド認知などとして出されるような広告も多数存在する。

となると、静的なコンテンツをそこに掲げる事に価値はある。それが動画であるか、静止画であるか、更新頻度がどの程度が適切かによっては、今後新しい表示システムに切り替わるかもしれないという余地がそこにはあると思う。

広告というのはひとつ注目分野だが、個人としては、やはりこんなふうに、すごく地味な静的コンテンツの定期的な更新だったり、更新頻度の低いデータの通知や更新というところで、電子ペーパーや、今後でてくる通信規格をうまく活用できたら良いと思っている。

その他メモ

今回は単色(白黒)の電子ペーパーを使用した。理由は書き換え速後が早そうだったからである。2秒ほどとは言え、1時間おきに更新しているので、あまり更新に時間がかかるのはよろしくない。

文字がくっきりなのはよいが、ギザギザはちょっと気になる。この電子ペーパー、アンチエイリアスできないんかなとふと思う。